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ベルゲン | ホルヴァスガンマ | ノールカップ |
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ホルヴァスガンマ Holvassgamma |
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2005/05/07-08 | ||
走行距離 往復120km |
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トロンハイム~ホルヴァスガンマ 片道60km
2005年5月7,8日
「1キロのチーズ」
これほど過酷なケビントリップとなるとは全く予想出来なかった。思ったより辛かったのは自転車での途中に大きな峠が3つもあった事で、食糧や水をずっしりと入れたリュックを背負っての山越えはかなり脚に堪えた。
昼12時にトロンハイムを出発し、自転車を置いて歩き始めた時、時計の針は既に夕方の5時を回っていた。さらに徒歩で野を越え、山を越え、湿地帯を抜け、最後に手漕ぎボートで河を渡らなければ山小屋へは到達できない。
途中2度道に迷いながらも何とか到着の目処がついて来た。道なき、ぬかるんだ湿地帯を延々と歩き続けてきたのだから、スニッカーズやカロリーメイトが欲しくなる。
もう少し、もう少しで到着できる
空腹を気合いで堪えながら歩き続けた。横を歩くデニスとの会話もやはり食事の話題になる。
「デニス、腹減ってるか?」
「やばい。」
デニスの発言にも相当元気がない。普段よりもかなり口数が減っている。
「もうすぐで、大量のスパゲティが食べられるな。味付けはトマトかな。」
自分をも勇気付けるようにデニスに呼びかける。
午後9時半 山小屋に到着
最後に山小屋へ行く人用に備え付けてあった手漕ぎボートで河を渡るとそこに目指すホルヴァスガンマがあった。俺は早速夕飯の準備にかかるべく、バケツを持って下の川へ水を汲みに行った。
バケツ2杯に満杯の水を入れて、山小屋へ戻ろうとするのだが、重いので千鳥足になってしまう。河から100メートル程、登った所にある山小屋にやっとの思いで近づくと、ステファンが小屋からげっそりとした表情で出てきた。
ステファンが一番空腹なのかもしれないな
水を急かされるのかと思っていたのだが予想とは全く異なる言葉が発せられた。
「す、すまねえ。俺、買ったスパゲティをワスレチャッタ・・・」
え、ええーーーーーーーーー!?
俺は何も聞こえなかった。事にしたひ・・・
しかしいくら探してもリュックの中には無い。すがるような思いで他のリュックを当たっても無いものは無い。どうやら本当に寮の部屋に忘れてきてしまったらしい。
「まあ、大丈夫大丈夫、何とかなるっしょ。明日のパンを節約しながら食べれば何とかなるよ。非常食とかもちょっとあるし。」
ダビッドも声をかける。
「余裕余裕、気にスンなってステファン。ガハハ」
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幸運にも他の食糧が若干多めに持ってきてあったことで、何とか乗り切る事ができた。人間、厳しい状態に身をおいて初めて本当の工夫をするものだ。その晩は4人で知恵を絞り、トマト、卵とチーズをうまく合わせて、独創的な料理が出来た。食べてみれば意外や意外、美味しかった。
この時1キロのチーズを持ってきていたのだが、そのチーズはこの夕飯であっという間に4人の胃袋へ消えていった。前にも後にもこんな大量のチーズを一度に食べたのはこれが唯一だろう。合計9時間半も動き続けてきたせいか、適度に塩分を含んだチーズはより一層旨く感じられた。
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トロンハイムフィヨルド Trondheim Fjord トロンハイム市内を出発し、フラックを目指す。フラックからは対岸とを結ぶフェリーを利用する事が出来る。 2005/05/07 トロンハイム |
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荷物 巨大な寝袋を荷台に載せるとこんな感じ。 2005/05/07 Trondheim~Flakk |
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フェリー これからの長い道のりに向けて腹ごなし。 左から デニス ダビッド ステファン 2005/05/07 Flakk~Kleiva |
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トロンハイムフィヨルド Trondheim Fjord フェリーは対岸に到着した。右奥に15万人の住むトロンハイム市がある。 2005/05/07 |
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最初の峠へ トロンハイムフィヨルドを背に標高差300mの坂を登る。 2005/05/07 |
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射撃場入り口 峠をを過ぎ少し下った所に射撃場がある。この日は土曜日とあってか、射撃大会が催されていた。 2005/05/07 |
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タンポポ ノルウェーのタンポポは5月に真っ盛り。 2005/05/07 |
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Storvatnet 峠を下ってノリノリの3人。まだまだ元気。湖と森林が実に北欧らしい。 2005/05/07 |
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岩 氷河に削られた名残なのかこういった岩が非常に多く見られる。 2005/05/07 |
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雨対策完了 もうすぐでハイキング開始という所へ来て、突然の雨。 2005/05/07 @Førsnes |
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危険 自転車を置いた後、断崖の下をへばりつく道路をハイキングする。所によってこんな危険な場所が。幸運にも雨はすぐに降り止んだ。 2005/05/07 @Litllisetra |
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準備中 準備中 2005/05/07 @ |
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道を失う 上の地図で1個目のバツ印が付いている場所。道らしい道は途中から無い。 2005/05/07 |
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丘の上へ 川沿いに上がることを諦めて丘を登ってみる。 2005/05/07 |
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現在地は? 丘の上で現在地を調べるダビッド。救われたのは高い木々がなく、視界が極めて良かった事だ。 2005/05/07 |
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その先には 丘を下ると湖が見えてきた。周囲には一切の人工物も無く、静寂に包まれていた。 2005/05/07 @Litlholvatnet |
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湖へ向かって 丘を湖へ向かって下って行く。方向は合っているはずだ。 2005/05/07 @Litlholvatnet |
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行き止まり ここで渡渉を試みる。 2005/05/07 @Litlholvatnet |
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デニスがゆく 「ダメだぁ。結構深い」 「デニス、水草の生えてるとこはダメか?」 「ムリムリ」 2005/05/07 @Litlholvatnet |
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ダビッドがゆく 別の地点での渡渉を試みる。やはりここも深すぎでダメ。こうして足止めをくらってしまった。(上図2個目のバツ印) 2005/05/07 @Litlholvatnet |
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ケビンはもうすぐ 先ほどの湖は大きく迂回すると渡渉できる地点が発見できた。そしてさらに歩く事1時間半、最後のアプローチのための手漕ぎボートの場所に至った。もう空腹の限界である。 2005/05/07 @Holvatnet |
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ホルヴァスガンマ Holvassgamma やっとの思いで到着。時計は既に夜9時半を回っていた。 2005/05/07 @Holvassgamma |
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準備完了 食事の準備が整えば、皆の表情に笑顔が明るくなる。 2005/05/07 @Holvassgamma |
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トマトとチーズで 工夫を凝らした料理はとても旨かった。 2005/05/07 @Holvassgamma |
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翌朝 朝食と昼食を一気に準備する。昨日の夕飯で随分とパンを消費してしまったから、極薄に切って大量のチョコレートを塗りだくった。 2005/05/08 @Holvassgamma |
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乾く? 延々と湿地隊を歩いて来た靴は、水分たっぷり。少しでも乾くようにと、こんな感じ。 2005/05/08 @Holvassgamma |
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ケビンと共に 留学先の大学は22の無人小屋を所有しており、学生は格安でそれらを利用できる。 2005/05/08 @Holvassgamma |
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手漕ぎボート 今日はダビッドが漕ぐ。途中水面下ギリギリの所に岩礁があり、何度も座礁しかけた。 2005/05/08 @Holvatnet |
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帰りは順調 往路で間違えつつも場所を確認したので、帰りは最短距離を進むことができた。失敗の中に糧となるヒントがあるものだ。 2005/05/08 |
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ヘビ ヤマカガシのようなヘビを発見。シャイなキャラなのか、我々を見るとするすると岩の下へ消えていった。 2005/05/08 |
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雲と湿原 この日は本当に雲が綺麗に見える日であった。 2005/05/08 |
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湿原をゆく 長い道のりだったはずだが、いろいろ話ながら歩いていると、意外にも早く進んだ。 2005/05/08 |
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もうすぐ 小さな滝が出ている所は崖も随分崩れていて、垂直な他の場所に比べて下りやすい。 2005/05/08 @Litllisetra |
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自転車に乗って さて後はトロンハイムを目指すのみ。のどかな道を風を切って飛ばすのは最高の醍醐味。 2005/05/08 |
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農家と雲 2つの雲が良い感じにのどかな雰囲気を作っていた。思わず見とれてシャッターを切る。 2005/05/08 |
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Storvatnet こんな景色の良い所には必ずと言っても良いほど私有ケビンが建っている。羨ましい。 2005/05/08 @Storvatnet |
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農家と雲2 入り口にあるポストが何とも良い。 2005/05/08 |
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遠望 我が町トロンハイムが見えて来た。 2005/05/08 |
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車が満載 日曜の午後、フェリーは忙しく車を満載して航行する。 2005/05/08 @Kleiva |
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非常食解禁 もうここまで来ればトロンハイムは目と鼻の先。非常食を食べてもなんの問題もない。 2005/05/08 Flakk~Kleiva |
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No fear ステファンとやってみる。ステファンが高山善廣といったところか。 2005/05/08 @Flakk~Kleiva |
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ノルウェー工科自然科学大学にて Norwegian University of Science and Technology 寮へ帰る途中に大学の前を通る。本館のデザインは素晴らしいと思う。 2005/05/08 @NTNU |